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ネットで見つけた、いい話(その27) [釣りができないので・・・]

釣りの話題が無いので、ネットで見つけた「いい話(その27)」をご紹介します

-----------「嫁は空き地に種撒く花ゲリラだった」-----------

朝4時の話。

嫁「……(黙々と道端の花にペットボトルで水をやってる)」

俺「(道端にうずくまってるように見え)どうしたんですか ?大丈夫?

嫁ダッシュで逃走。

嫁「悪いことはしてませんからーーーー!

後には桃色タンポポ。
嫁は空き地に種撒く花ゲリラだった。

初めてした会話だ。
まず、園芸板に花ゲリラスレと言うのがある。
空き地とか道端とかの隙間に、それほど目立たない植物をこっそり植えてこっそり世話する。
そのスレを見ていったら、桃色タンポポのゲリラに成功したと言う奴がいた。
桃色タンポポは下手すれば真っ赤になったり、真っ白な花びらに点々と赤が散る惨劇の花になったりする、普通に育ててもなかなか難易度の高い花だ。

同じ頃、ちょっと頭の病気やって失明するかもしれないと言われていた俺は、毎晩読書して夜明かしして、日の出とともに散歩に出て一日を過ごす生活をしていた。
とにかく眠る時間を恐れるようにして、色々なものを見まくろうとしていた。
眠るのに目を閉じて、また開いたら何も見えなくなってた…、と妄想すると怖くてたまらなかったからだ。

毎朝、「すげぇこんなに綺麗に」と感心してるうちに、時々子供やスイーツたちが持っていってしまうのが惜しくなってきた。
花ゲリラスレで見たのはここのことかもしれない、と考えながら、毎朝毎朝見に来た。

そして嫁と出会い、次の日張り込んだ。

しかし嫁は重度の引きこもりで、人間が怖いときた。
俺に話し掛けられた衝撃で出歩かなくなったらしい。
俺は何やら意地になってしまい、ある夜、一日張り込むつもりで待機した。
そしたらあの怖がりは、やってきた。

【人怖い】<【花心配】
だったそうだ。

そこからはとんとん拍子だった。

どうせもう見えなくなるんだから、
顔をよく見せてくれとたびたび会う約束をし、
花を見せろと家に通い、
かわいい姿を記憶したいからとオシャレさせ、
見納めだからと映画に行きまくり、
ついでに最後の思い出にさせてくれと頼んで旅行にも行った。

嫁はよく頑張った。
俺が家に行ってインターホン鳴らして出るのに30分かけてた頃から、今は人混みにも行ける。

嫁との旅行は、富良野に行った。
ラベンダー畑を見ていた時、睡眠不足の皺寄せが来て俺はぶっ倒れた。
あの対人恐怖症の嫁が、
人があんまりいないからって理由で北海道に行きたがった嫁が、
助けを呼びに走ってくれたんだ。

何時間か寝て、目覚めた俺は色々な気持ちが吹き出して、嫁にすがって泣いた。号泣した。
そうして嫁に抱きしめられながら、手術が怖いことを打ち明けた。

でも手術を受けるべきだ、と言う嫁に

俺と結婚してくれるんだったら手術受ける

と言った。

本当は「手術が成功したら結婚してくれ」と言いたかったが、
いざとなったらガキみたいな本心が出たってことだな。

結局、眼鏡が手放せなくなった程度で、
今もこうして楽にネットできるし、横では嫁が寝てる。
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